35年程前 社会人になってから、仕事は楽しくて好きで、最低限寝られれば良かった。
何故だか判らない焦燥感もあって、自分にとっては休みなく働く事が生き甲斐だった。
基本的には今でも変わってない。
休日も仕事の事を考えるのが大人だと思っていた。
だが今はもう若く無いので、集中力が途切れる事が多くなってきた。
そうなってくると判ってくる事がある。
何も考えないで休養する時間を作らないと、思考の質が低下するのだ。
休み無く働いて問題解決していると判らない、思考の質の低下が起きている。
広い視野で物事を見る事が出来なくなり、目前の課題をやっつける事で仕事をしている気になってくる。
人の行動は、潜在意識がその9割以上をコントロールしている。
考えてそれを行動に移すなんて事は1割以下なのだ。
人の思考は、潜在意識からのプッシュ通知と、五感からの刺激に反応する。
積極的な休養と良く言われるのは、潜在意識・五感からの刺激を最低限にして、思考回路をリセットする様な効果がある。
TVを見ながらの休憩は、ただの休憩であって、休養ではないのだ。
潜在意識は、前頭葉や側頭葉から繰り返される思考や記憶と云った刺激によって形成される。つまり習慣化する。
思考しない生活や、外部からの低俗な刺激のみを潜在意識に与え続ければ、その結果はおのずと明らかで、考えない脳が完成する。
新聞やニュースに反応して評論家気取りの意見を吐き出すのは、実は見聞きした評論家や有名人・知人の意見の集約結果を反映しているだけに過ぎない。
本当に自分がそう思っているのか?という疑問を持たずに、外部からの刺激で蓄積された潜在意識の判断を自分の思考だと勘違いしてしまう。
本当に自分の思考として潜在意識に蓄積するには、積極的な休養、と呼ばれる「何もしない」静かに周囲の世界を感じる様な休養が必要なのだ。
一時流行った「ヒーリング」も、こんな効果を導き出してくれる。
積極的な休養の必要性は、休み無く働いている時は判らない。
「疲れた」が判断基準では無いからだ。
だがその判断基準は簡単で、「何故?」と考えるだけで判る。
人は、自分の行動に対して「何故?」とは考えない。
自分で決断し、行動したと思い込んでいるからだ。
だがその行動は、過去に蓄積した外部からの刺激、特に好んで集めた知識を寄せ集めて潜在意識が下したものなのだ。
決してあなたの思考によるものでは無い。
だから、自分の行動に対して「何故?」と問いかける事で、「自分」をはっきりさせる事ができる。
そして「何故?」の結果「自分」を見失っている事に気付くだろう。
その時が、積極的な休養が必要な時だ。