貧困ビジネスという言葉を聞いたことがあるだろう。
生活保護などで生活している方に、薄いベニヤ板などで狭い部屋をさらに1畳程度に区切って生活環境として与え、生活保護費を丸々奪ってしまう様なビジネスの事だ。
こういった行為がひどい事だと云う事は、誰の目にもとても判りやすいので、どうしてもソレが必要だという人や、無責任な行政による斡旋以外、人が寄り付かないだろうことは容易に想像できる。
同じ様なモノが世の中には沢山横行しているのだが、意外に人は気づかない。
例えば、レストラン経営を夢見る人に対しての「飲食店経営セミナー」なんかも酷いものが結構ある。
素人がセミナー受けた程度で流行るレストランなんて、そうそう作れる訳もないので、早めに諦めさせるという意味としては良いかもしれないが、大金を投資した挙句に夢が叶うどころか、開業資金まで巻き上げられてしまう参加者はたまったものではない。
これに類するもので、昨今気をつけるべきキーワードは「副業」「起業」である。
企業は、働き方改革のために「副業」を推奨する事が多くなっている。
元々、終身雇用で仕事は変わらない前提だった社員が、会社の外で何らかのスキルを発揮できる場所など無いに等しいので「副業セミナー」や「起業セミナー」が大流行りである。
真剣に支援しようとしているのか「副業」「起業」のブームに乗って儲けてやろうと考えているのか、ちょっと気をつけてみれば判る事だが、残念なことにブームにのって儲けを狙ったヤカラの方が、広告や集客が上手いのである。
これに上手いこと乗せられて、なけなしの貯金をはたいて「起業セミナー」なんかに参加するのは、冒頭に書いた「貧困ビジネス」に乗せられるのと大差ない。
もちろん書籍なども似た様な傾向があるので、本物を見つけるのが難しくなってきている。
テレビで報道されたものは すべて事実、なんて思い込んでいる人も多いし、ネット上ではフェイクニュースに騙される人も増えているので、ますます本物と偽物を見極める能力を養う事が、必須の能力になりつつある。
大事なことは、コンピテンスを重要視するモノはホンモノが多く、HowToを教えるものはニセモノが多いってこと。
全てがそうとも言い切れないのがややこしいとこだが、ぜひ沢山の人にニセモノに騙されない目を養って欲しいと思う。